旧坂東家住宅見沼くらしっく館(埼玉)
Photo: ©️桜井ただひさ Tadahisa Sakurai
「魚は行く、鳥は飛ぶ、彼地の境界に辿り着くことなく」和田みつひと
旧坂東家住宅 見沼くらしっく館は、片柳の加田屋新田を開発した坂東家の旧宅をほぼそのまま同位置に復元した野外博物館です。木造平屋・茅葺きで建坪87坪、江戸時代末期の安政4年に建立された式台を持つ住宅です。
作品は、床の間と襖障子のある奥座敷にスライド映像を展開するインスタレーションです。スライド映像は、見沼くらしっく館の玄関に設えられた囲炉裏の炎を手掛かりに、花、鳥、風景の写真画像の各々を、時とともに移り変わる色の変化に還元する新しい試みです。
表現したいことは、「過去」であり「未来」でもあり、「死」であり「生」でもある、そして、「あなた」であり「私」でもある時空です。それは、死の上での生に立ち、時に成り切り永遠を切り開く作品、いわば、「何処からきて、何処へゆくのか」という、「根源的なもの」への問いなのです。
そして、インスタレーション作品として、《魚は行く、鳥は飛ぶ、彼地の境界に辿り着くことなく》と題し、岡村桂三郎さんの作品「地の魚17-01」と、私のスライド映像作品「Suppose you dream that you are a bird」とのコラボレーションを試みています。
岡村桂三郎「地の魚17-01」
和田みつひと「Suppose you dream that you are a bird」スライド映像(4分21秒)、ブルーレイディスク、プロジェクター
https://www.facebook.com/100000486693743/videos/5871189302907235/
2021.3.23−28
埼玉国際芸術祭2020 美術と街巡り事業再開編「時のきざはし」
旧坂東家住宅見沼くらしっく館 https://www.stib.jp/info/data/kurasiku.html
企画・構成:森田一