和田みつひと 作品 /Mitsuhito Wada works 2005

<Hier gibt es schon.>もう、ここにある。

『BankART Life 24時間のホスピタリティー ~展覧会場で泊まれるか?~ 』BankART Studio NYK(神奈川)* 横浜トリエンナーレ2005連動企画

Photo:谷岡康則 Yasunori Tanioka

<Hier gibt es schon.>もう、ここにある。和田みつひと

 

この展示では、会場となる室内に手前と奥の二部屋に仕切る壁を建てた。そして、窓にカッティングシートを貼り、照明をカラー蛍光灯に換え、室内の壁面・天井に照明と同系色の塗料を塗布し、ピンクに彩られた部屋とグリーンに彩られた部屋を並置してつくり出した。この作品によってつくりだされる光景は、光と色の効果によって普段とは異なる色彩を帯びて見えます。しかし、室内と窓から見える光景は、普段と何ら変わることはありません。ここで試みたのは、展覧会の会場に訪れる人の体験をとおして、目の前にある光景と向き合う場をつくりだすこと。日頃見慣れてしまい気に留めていないものに「気づく」きっかけをつくりだすことです。 

私の作品は、対象としての作品を見るということよりも展覧会に接する人の経験と、その経験に伴って起こる意識の変化が重要となります。ここで言う意識の変化とは、外に何かを発見することではありません。何かを探すことや、追い求めたりすることではないのです。日常という絶え間のない変化の中で、私たちが見ているのに見えていないものを見えるようにすること。「もう、ここにある」ことに「気づく」ことに他ならないのです。 

 

初出:『BankART Life』、BankART1929、2005年

2005『BankART Life 24時間のホスピタリティー ~展覧会で泊まれるか?~』*横浜トリエンナーレ2005連動企画

  • 日時:2005年10月28日[金]-12月18日[日]
  • 会場:BankART Studio NYK、BankART1929 Yokohama
  • 主催:BankART1929
  • 共催:横浜市
  • 【参加作家】
  • 岡崎乾二郎・杉浦隆夫・昭和40年会(会田 誠、有馬純寿、大岩オスカール、小沢 剛、土佐正道、パルコキノシタ、松蔭浩之)・和田みつひと・開発好明・磯崎道佳・ノーヴァヤリューストラ(中野良寿+安原雅之)・ヤング荘・すけすけ生春巻き・江場左知子・mtrism/小池一子・ワークステーション(高橋寛+高橋晶子)・城戸崎和佐+小嶋一浩・小泉雅生・アトリエワン(塚本由晴+貝島桃代)・みかんぐみ・安田博道・宮 晶子・岡部友彦+ funnybee Co.,Ltd.・西田 司+志伯健太郎・横浜国立大学建築設計意匠研究室チーム(北山 恒、西沢立衛)・madorome(ノンマルト、nata+lala, and more)・graf(豊嶋秀樹)・山下 残・ヌーヴォーシルクの部屋~ジェローム トマ~by Le Couple Noir・オムトン・映画の部屋(辻直之他)・Electronical Fantasista by 岡田智博(Crispin Jones、鈴木太朗、植木淳朗+Surroundings)・Off Nibroll(矢内原美邦+高橋啓祐)・大野一雄の部屋